私、とある楽器を弾きます(バンドで使用する楽器とだけ言っておきます)。高校時代から始めたものでして、歴にすると30年ほどになります。もちろん、その楽器は今でも弾きますし、やはりと言いますか(エギングロッドと同じで)、購入して売却を50本ほど繰り返した結果、手元に現在、3本ほど、その楽器があります。
基本的に、その楽器は、「高級なものほど、初心者にも扱いやすく弾きやすく良い音が出やすい」という傾向があります。「玄人向け(プロも使用する楽器)だから、初心者には扱いづらい」ということはあまり無いです(一部例外はありますが)。マニア向けの楽器、玄人向けの楽器という考え方は、あまりしないのです。
私はその楽器を30年弾き続けてますので、言ってみれば「その楽器では玄人」かもしれません。私はその楽器では玄人ですが、私が使用する楽器は「玄人向けの扱いにくいもの」と言われるようなモノではなく、初心者の方でも弾きやすい、各部が丁寧に制作された扱いやすい楽器です。私が使用する楽器は、初心者の方が使用しても、「これ弾きやすいですね!」と言ってくれるようなものです。
前置きが長くなりました。何が言いたいか?薄々感づかれた方もいるかもしれませんが、「エギングロッド」の世界においては、先ほどの楽器の世界と反対で、「玄人向けと言われるロッドは扱いにくい(ことが少なくない)」という認識というか、考え方が普通にまかり通っていることを最近、認識しまして、なんだかな~と思っているところです。「良くないな~、ダメだな~」と言ってるのではなく、「これがロッドの世界の考え方なんだな~」と外部の世界を知っている人間が思っているだけです。
世のエギング歴の長い玄人の方が皆、「玄人向けのエギングロッド」を選ぶことは、まず無いと思います。少なくとも私は、常に扱いやすいロッドを選ぶと思います。歴が長くなろうとも、周囲から、「やすさんは玄人だ」と認識される存在になろうとも、私は「扱いにくいロッド」はおそらく選ばないです。玄人向けとか、初心者向けとか、そのような言葉を頼りにロッドは選ばないです。「良いと感じたロッド」を選びます。
私が手にする楽器の世界でも、「その製作者しか扱えないような、とても一般の人には扱えなさそうなモノ」も少々あります。そのような楽器をネット上のお店で見聞きすることはあっても、「購入すること」はまずありません。なぜなら、「自身には扱いにくく弾きにくいから」です。そのような楽器は、「玄人向けの楽器」とは呼ばず、「変人向けの楽器」と私は呼びます。
音楽の世界では、世界中に奇人変人のミュージシャンが沢山います。よく言えば「奇才」ですが、普通に言えば変人(変態)です。軽蔑の感情ではなく、リスペクトの気持ちを込めて、「超絶変態ギタリスト」とか、そのような表現はしますし、クリエイティブな創作の世界ですから、音楽の世界では、「変人」に悪い意味はそこまで強くありません。