エギングが上手くなりたかったら、ロッドの軽さばかり拘るな 

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デイエギング8割、ナイトエギング2割エギンガーのやすさんです(時期によりナイト少し増えたり少々あり)。最近、何度も同じことを言ってますが、秋イカ時期は苦手です。マナーのなってないエギンガーが増えるためです。ただし、マナーのなってる真摯な初心者のイカ釣りアングラーさんには非常に優しいです。

 

ユーチューブ動画を出しているエギンガーの一部には、私から見ると異様に「ロッドの感度」に拘っている人を見かけます。ラグゼEGXアルティメイトだ、ストイストRTだ、新作エメラルダスエアだ何だと持て囃す動画を出している方々です。

 

こういう方々は、「ロッドは軽ければ軽いほど感度が良い。軽いロッドを使えば繊細なイカのアタリも見逃さないから、確実にイカキャッチできるようになる。だからエギングでは軽いロッドこそ良いのだ」みたいな論調らしいです(実際どうだか分かりませんが、私にはそのように聞こえます)。

 

いいんだよ。軽いロッド、扱いやすいじゃないか。しゃくりが楽だよ。それは私も思う。ただ、しゃくりに力があまり乗らないからね。私が夢墨ボロン806ML(123g)をしゃくる際のパワーと、ラグゼEGXアルティメイト(60g台)をしゃくる際のパワーでは、数字だけで考えれば2倍近く、「力」の乗り方が違います。

 

例え話をします。水深10メートルのボトム、払い出しの潮が流れているとして、ボトムにいる大物を狙うとします。夢墨ボロン806MLと、ストイストRT79MLM、どちらが釣りやすいでしょう。どちらが潮に負けず、エギを意のままに動かせるでしょう。どちらが手首に負担少なく、潮に負けずしゃくれるでしょう。どちらがフッキングがガッチリ決まるでしょう。

 

水深10メートルのボトム(払い出し)にて、エギ王K3.5号ノーマルを夢墨ボロン806MLでしゃくって、1のパワーで、自在にエギが動いてエギングできるとすると、ストイストRT79MLMだと、私の体感上は3か4のパワーでしゃくらないと(あるいはそれ以上)、エギはきちんと動かないでしょう(以前、ストイストRT79MLMを買って試しました)。

 

ロッドが軽いから、軽い力でしゃくれるのはその通りですが、「抵抗が強い場所」では、そう簡単にはいかないのです。まあ、ストイストRT79MLMが深場でも使えるという触れ込みではないかもしれないので、その点で、この比較はあまり意味をなさないかもしれませんが。

 

ロッドの感度がどうのこうの気にするのは良いのですが、感度が最高なら、色々な場面で例外なく上手くエギングできる(釣果が伸びる)とは限りません。ロッドの感度さえ良ければ、初心者でもイカが沢山釣れる(ようになる)と思っているようなら、その認識は甘いと申し上げます。

 

初心者の方が、エギングユーチューバーの提灯動画を信じて高いエギングロッドを分割20回払いで買ったはいいけど、どうも気に入らず、ロッドをオークションで売ったなど普通にあり得ますよ(手元にないロッドの支払いを続けている)。

 

だから皆さんに、アレスのロッドを使いましょう、夢墨ボロンを使いましょうと勧めているわけではありません。アレスの夢墨シリーズは、昨今のお高い軽量ハイエンドエギングロッドの軟弱さに辟易した方に向くロッドとなってます。「軟弱」と表現しましたが、これは私が勝手に強く思っていることであり、全ての方がそう思うわけではないので、その点ご了承ください。

 

人それぞれ、腕力、腕の力など違いがあるので、ストイストRTが「いい!」と感じる方もいれば、「なんだ?この細いロッド、弱々しいな」と感じる、私のような人間もいるのです。そういう点は当然あります。

 

夢墨ボロンを「何だこのクソ重いロッド!」と思っている人もいるのです(笑)。私もそれは重々に承知しています。そんなものです。物には表の顔、裏の顔とありますので。

 

それでも夢墨ボロンや夢墨GVXは一部の熟練エギンガーには大変、人気のあるロッドです。なぜ、そんなクソ重いロッドを好んで使う人がいるのか?を皆さんは考えるのが面倒でしょうし、考えたくもないでしょうけど、「そこ」に釣り竿における真理が隠されています。「ロッドは軽いだけではダメ」という、別の側面から見た真理があるのです。

 

「ロッドが軽いと少ない力でロッドを持てるし、その分、イカの繊細なアタリも分かりやすい。エギングはしゃくり続けるから、ロッドは軽いほうがいい(疲れない)。」という案直(あんちょく)な考えにより、「エギングロッドは軽いほうが良い。重いロッドはエギングに向かない」という一般論が浸透しました。

 

上記だと、イカのアタリを発生させるまでのプロセス・段階が半分だけ、抜け落ちています(半分だけです)。イカのアタリを引き出すには、まずエギを動かさないといけません。軽さに特化したロッドでどんな場所でもエギを自在に操作できますか?ということです。それと、なかなか釣れない時はしゃくり続けないといけませんので、「疲労」の点ではロッド軽いほうが楽かもしれません。ただし、何度も言いますが、軽いロッドだと、エギが思うように動かない、潮に、しゃくりが負けてしまうなどもあり、いつも以上に強く大きくしゃくらないと釣りにならない・エギに力が伝わらないなども普通にあります。そうなると、重量のあるロッドでしゃくったほうが逆に疲れにくいなども起こり得ます。
イカにエギを食ってもらうまでの段階では、ロッドが軽いことは必須ではないでしょう(しゃくりが軽快という利点はありますが)。そこを、「エギングロッドは軽ければ軽いほど良い」みたいなことを言う人間が増えてきたから、おかしいことになっていると感じます。水深5メートルぐらいまでのシャローならまだしも、それ以上の水深のある場所でエギングするなら軽いロッドよりは重量がそこそこあるロッドのほうが案外、総合的に見れば負担が少なく楽だったりします。たとえ硬めの軽量ロッドで深場をしゃくるのでも、ロッドによっては腕に負担がかかります。

 

軽いロッドのメリットはあるのですが、反面、軽いロッドのデメリットも色々あるのです。

 

もう一例、挙げますと、軽い分、ブランクスが薄いので、耐久性、衝撃には強くないです。これはいくら、「そう簡単には折れない。普通にエギングしていたら、まず折れない」とは言っても、「軽さ相応の折れにくさ」としか言いようがありません。ストイストRTや、エメラルダスエアと比べれば夢墨ボロンのほうが明らかに折れに強いです。

 

軽いロッドのほうがエギング釣果が比例的に増して、重量のあるロッドほど釣果が伸びないという統計でもあるなら、「エギングロッドは軽いほど良い。釣果も増す」と言えるでしょう。しかし、そうはならなかった。皆さんの目の前に良い例がいるでしょう。

 

私です。私の釣果が凄いとは言いません。私よりも沢山の良きサイズをストイストRTで釣りあげている方も全国に沢山いるでしょう(笑)。ただ、120g台前後のロッドで、このブログで公開しているように、これだけ釣る人もいるというのは事実です。私よりも、もっと多くのイカを夢墨GVXや夢墨ボロンで釣り上げている人も沢山いるでしょう。

 

もちろん、「腕」も関係あるでしょうし、「場所の良さ」も関係あるでしょう。とは言え、「軽いロッド=感度が良いから釣果が伸びる」という構図は「絶対」ではないですし、どこか「安直だな」と何となく分かっていただけるでしょう。

 

腕力や体力に自信のある初心者の方は、軽いロッドを最初から選ばないほうがいいと、オジサンは思います。自分は腕力があまり無いな~と自覚がある方は、最初からある程度、軽いロッドを選んでも良いと思います。

 

ロッドの自重が60g、70g、80gだろうと、100g、110g、120gだろうと、イカは普通に釣れますので心配いりません。自身の体力、腕力に合ったロッドを選べばいいです。個人的には、筋肉ムキムキの細マッチョなエギンガーにストイストRTは勧めません(笑)。私は筋肉ムキムキではなく、ちょいメタボおじさんですが(腕はそこそこ太さはあるかもしれません)、夢墨ボロン806MLが合いました。